病名
強皮症(きょうひしょう)
-
概要
強皮症は自己免疫機能の異常によって全身に障害がでる膠原病のひとつであり、公費の対象疾患になっている難病です。全身性強皮症と限局性強皮症に分けられ、難病として扱われるのは全身性強皮症です。限局性強皮症は症状がほとんど皮膚だけにとどまっていて進行もゆっくりなので心配はいりません。この病気は現在6000人ほどの患者さんが確認されており、男女比は1:9と圧倒的に女性に多い病気です。発症する年齢は30〜50歳くらいの人が多くなっています。
-
症状
強皮症の症状は手足に見られるレイノー現象が初期症状としてみられます。さらに皮膚が硬くなる症状(これを硬化、あるいは繊維化と言います)が指先などに見られ症状が進むにつれて体の中心部分へと進行してゆきます。皮膚の症状以外にも食道や肺、腎臓や心臓などの血管が閉塞したり粘膜組織が硬くなることで、胸やけや息苦しさ、吐き気などの症状を起こすことがあります。
-
治療方法
強皮症の治療は炎症を起こす免疫機能の治療が中心とされるますが、個々の症状を合併した場合にはそれらの治療も合わせて行われます。中心になるのは副腎皮質ステロイドによる炎症の制御ですが、肺などの繊維化が進んでいる場合には免疫抑制剤である「シクロスファミド」、レイノー現象などに代表される血管の障害に対しては血管拡張剤などの治療がその人の状態に応じてとられます。内臓に起こる病変は一度なってしまうと元には戻らないものなので、できる限り早期に治療を開始して症状を抑えることが重要になります。
-
まとめ
強皮症は5、6年の間に症状が進行することから、この間にできるだけ症状を進行させないように治療することが重要です。皮膚に起こる症状は時間の経過とともに自然に治癒しますが、内臓に起こった症状は自然には治癒しません。そのためできる限り早期に確定診断を下して、専門医の元で適切に治療を開始する必要があります。特に強皮症の予後を左右する肺線維症や腎不全などに関しては十分な注意をもって治療にあたることが求められます。もともと強皮症は予後不良の疾患とされていましたが、近年では治療成績が飛躍的に向上し、5年生存率も90パーセント近い実績をあげています。
強皮症に関する投稿フォーム
強皮症に関することについて、相談や質問等どんなことでも下記の投稿フォームから投稿することができます。投稿された内容についてはこちらで内容を確認させていただいた後にこちらのページに掲載させていただきます。
※投稿された内容が公序良俗に反するとこちらが判断させていただいた場合は掲載は控えさせていただくことがございますので予めご了承ください。
ニュース
・全身性強皮症 /茨城-毎日新聞(H28.1.19)
全身性強皮症 /茨城. 毎日新聞 2015年11月17日 地方版. 茨城県; すべて表示する. 全身性強皮症. 皮膚や内臓が硬くなる難病。全身の関節や血管、臓器などに炎症が起こる「膠原病(こうげんびょう)」の一種。原因は不明で、根治する治療法はない。全国の患者数は・・・
・NEJM誌から 全身性強皮症の進行予測マーカーを発見か-nikkei BPnet(H27.11.16)
全身性強皮症(SSc)は患者ごとに症状や転帰が大きく異なる自己免疫疾患で、発症機序などの理解は進んでいない。プロテオーム解析の結果、患者の形質細胞様樹状細胞から分泌されるCXCL4(ケモカイン C-X-C モチーフリガンド4)蛋白が、この疾患のマーカーとして有用で・・・
・「トラクリア」に効能追加、全身性強皮症の手指潰瘍 第一部会-Nk Jiho.Jp(H27.11.16)
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は31日、アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパンのエンドセリン受容体拮抗薬「トラクリア錠62.5mg」(一般名=ボセンタン水和物)に「全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制」の効能・効果を追加することを了承・・・
・カンニング竹山、難病強皮症の傷跡明かす-日刊スポーツ(H27.11.10)
お笑い芸人カンニング竹山(43)が16日、20代前半の頃に強皮症という難病にかかっていたことをツイッターで明かした。 同日、フジテレビ系「ノンストップ!」に出演していた竹山は、放送後、「ノンストップ、顔が黒過ぎてすんません」とツイート。海外ロケで日焼けしすぎてしまったと・・・
・【医薬品第一部会】「トラクリア」に効能追加‐肺高血圧薬2件の一変了承-薬事日報(H27.11.9)
トラクリア錠62.5mg(アクテリオンファーマシューティカルズ):有効成分のボセンタン水和物を含有し、全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制の効能・効果を追加する。同剤は、エンドセリン受容体拮抗薬で、類薬にはヴォリブリス、オプスミットがあるが、全身性強皮症に伴う・・・
・【話の肖像画】漫画家・さかもと未明(5)甘えといわれ苦しんだ体験伝えたい-産経ニュース(H27.11.9)
膠原(こうげん)病のため、水の入ったコップも持ち上げられず、ペンも持てなくなって、身体障害者手帳の交付を受けたのがそのころです。手首と足首は可動域がなく、指も曲がってしまっています。強皮症で皮膚が硬くなってつるつるに光って、その中で、さらに発達障害の診断も・・・
・NEJM誌から 全身性強皮症の進行予測マーカーを発見か-nikkei BPnet(H27.11.9)
全身性強皮症(SSc)は患者ごとに症状や転帰が大きく異なる自己免疫疾患で、発症機序などの理解は進んでいない。プロテオーム解析の結果、患者の形質細胞様樹状細胞から分泌されるCXCL4(ケモカイン C-X-C モチーフリガンド4)蛋白が、この疾患のマーカーとして有用で・・・
・臨床医が知っておくべき膠原病診療のポイント-週刊医学界新聞(H27.11.9)
全身性強皮症(日本における推定患者数1万人弱)は,皮膚硬化の範囲により限局型全身性強皮症(Limited cutaneous systemic sclerosis;lcSSc)とびまん型全身性強皮症(Diffuse cutaneous systemic sclerosis;dcSSc)に分けられ,両者は自己抗体や発症経過,内臓臓器・・・
・カンニング竹山 難病指定強皮症だった-デイリースポーツ(H27.11.9)
お笑い芸人のカンニング竹山が16日、若いころに強皮症という難病にかかっていたことをツイッターで打ち明けた。 竹山はこの朝、フジテレビ系「ノンストップ!」に出演した。先日までハワイ諸島のハワイ島での仕事が入っていたため「ノンストップ、顔が黒過ぎてすんません、Big・・・
・トラクリア錠、手指潰瘍抑制の適応追加へ-キャリアブレイン(H27.11.9)
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は31日、肺動脈性肺高血圧症の治療薬トラクリア錠62.5mg(一般名ボセンタン水和物)について、「全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制」の適応を追加することを了承した。現在、国内でこの適応がある既承認薬はない・・・