病名
混合性結合組織病(こんごうせいけつごうそしきびょう)
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概要
混合性結合組織病(こんごうせいけつごうそしきびょう)とは全身性エリテマトーデスや、強皮症、多発性筋炎に似た症状が混在し、血液中に抗U1RNP抗体という抗核抗体が見られる病気で膠原病の一つです。現在日本では約7000人の患者さんいます。男女別の疾患にかかる割合は他の膠原病と同じように女性が圧倒的に多く1:15くらいの割合になっています。
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症状
混合性結合組織病は他の膠原病に良く似た症状が起こる病気ですので様々な症状が出ます。共通して見られる症状としては指の膨張やレイノー現象です。全身性エリテマトーデスに似た症状として顔面紅班や多発性関節炎。強皮症に似た症状として皮膚の硬化や肺の繊維化。多発性筋炎に似た症状として筋肉痛や筋力低下が見られます。また、肺高血圧症を併発すると動悸、息切れ、胸痛などの症状がでます。
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治療方法
混合性結合組織病は自己免疫が異常を起こす疾患だと考えられていますが、根本的な原因はいまだにわかっておらず病気そのものを直す方法がありません。そのため治療は症状に対する対症療法が基本になります。具体的には、抗炎症療法と免疫抑制療法が行われ、使われる薬剤は副腎皮質ステロイド剤が基本になります。また、重篤な副症状である肺高血圧症に対してはプロスタサイクリンなどの血管拡張剤が使用されます。
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まとめ
混合性結合組織病は膠原病の中では比較的予後の良い疾患であると考えられており、根本的な治療法はまだ確立されていませんが、病状をできる限り抑えていくことで病気と並存してゆくことが可能です。現在での5年生存率は95パーセント以上となっています。注意が必要なのは病気に併発する合併症です。特に肺高血圧症は混合性結合組織病の死因第一位になっているため十分な管理が必要になります。
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