病名
ボーエン病(ぼーえんびょう)
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概要
ボーエン病は表皮にできる癌の名前で発見者の名前(Bowen)からボーエン病と呼ばれています。ほかの皮膚癌とおなじように日光や放射線にあたることで発生の確率があがりますが、砒素を扱った人でこの病気にかかる人が多かったことから砒素との関連性も指摘されています。ボーエン病は癌という区分にはありますが、癌細胞が表皮にとどまった状態なので、癌前駆症(癌の前の状態のこと)とも呼ばれています。おもに高齢者に良く見られる癌で、男女による発症の違いはありません。
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症状
ボーエン病軽く盛り上がった褐色で斑状のほかの正常な皮膚との境界線が明瞭なできものが皮膚にできます。かさぶたやびらんをともなうこともあります。できる場所は胸・腹・背などの日光にあたらない場所が多いようです。基本的には湿疹に良く似ており、そのため湿疹と間違って治療されることもしばしばあります。
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治療方法
ボーエン病の治療は切除が基本です。癌の前の状態とも言われるくらいの病気なので、基本的にはほかの臓器に癌が転移することはほとんどなく、切除によって治癒させることが可能です。ただ、長い間ほおっておくと病状は進行し、有棘細胞癌となります。
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まとめ
ボーエン病は表皮に癌がとどまった状態なので、切除さえすれば完治することができます。ただ、症状が湿疹などのほかの皮膚症状に良く似ているので間違って治療される場合も少なくなく、ボーエン病として診断がつくまでに時間がかかってしまう可能があります。ボーエン病も進行すればほかの癌と同じように生命にかかわるものなので、薬などで症状が治まらない場合は皮膚の組織を生検して早期にボーエン病として確定診断してもらうのが重要です。
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